水流に適応した水生植物(6月下旬の哲学の道沿い疎水にて)

初夏から真夏にかけて哲学の道沿いの疎水に繁茂する水草が毎年気になっていましたが、ようやく動画にて近影することができました。

撮影してすぐわかったのですが、この、疎水に群生する水草は、スクリュー・バリスネリア(学名:Vallisneria asiatica var. biwaensis)でした。

8月頃には疎水の広い範囲にかなりのボリュームで繁茂し、灰色一色だった川底をクリーンで彩ります。

ところがしばらくすると行政の疎水管理科が根こそぎさらってしまうので、その姿が見られるのはごく短い期間なのです。

このスクリュー・バリスネリアの群生はホタルの幼虫やその餌となるカワニナの温床にもなっているハズなんですが、なんで排除?

今年は哲学の道にホタルが飛びませんでしたが、関係あるのではないですかね。京都市内のホタルの減少は近年の大型台風による増水が原因とされていましたけど水草があれば多少は違ったのではないですかねぇ。

スクリュー・バリスネリアは水草として市場に出回る際の俗名(商品名)でして和名は「ネジレモ」といいます。

バリスネリアは水草水槽のレイアウトで後景草(一番後ろの草)としてよく植栽されているテープ状の水草なのですが、その亜種に葉体にねじれのかかったスクリュー・バリスネリアという日本産の水草があるんです。

Picture by tropica

今まではなぜ葉体がねじれているかがわからず、バリスネリアの改良品種なのかな?というくらいにしか気に留めていなかったのですが、今回の水中撮影でそれは人工的な品種改良ではなく、水流を上手に捕まえて葉の両面で効率よく光合成をし、そして満遍なく水中の元素を取り入れたり呼吸するための形状であることがよくわかりました。

バリスネリアは底床に対し垂直方向に植栽して、成長してきたら水面をゆらゆらする姿しか考えたことがなかったです。

正直あまり魅力的な水草とは思っていなくて自分の管理下で育てたことはありませんでしたが、こうして川の流れの中に繁茂している姿を見ると、優雅で美しいですね。

これが自然の姿なら植栽の考え方を完全に勘違いしてたな…

余談ですが、イラストを引用させていただいた英トロピカ社の写真と博物画はこの業界のものとしてはクオリティが高いですね。

新規に水草関連業を始めるよりはここの株主になるっていうのも一つありかと思ってます。(株式の上場はしてるのかな…?)

世界的にみてホビーとしての水草産業がこの先業績を大きく伸ばすとはあまり考えていませんが、淡水水生植物にここまで特化した会社はあまりありませんので今後、別分野を開拓して業績を伸ばすポテンシャルは結構ありそうです。